【イベントレポート】国内留学サミット2017 ~学生寮がつなぐ地方と都市~

2017年8月6日に開催いたしました「国内留学サミット2017」へご参加くださった皆様、誠にありがとうございました。
イベント当日の様子を、教育寮オープンラボを運営するNPO法人NEWVERYのインターンシップ生の高田成美さんがレポートしてくれました。ぜひご一読ください。

台風の影響が心配された2017年8月6日。無事快晴の中、ヤフー株式会社様のイベントスペースにて行われた「国内留学サミット2017」。80人ほどの参加者の皆様をお迎えし、満席の中スタートしました。

この「国内留学サミット2017」は、魅力的な地方での教育機会を提供する高校5校(長野県立白馬高校、広島県立大崎海星高校、島根県立隠岐島前高校、島根県立津和野高校、鹿児島県立与論高校)を集め、海や山に囲まれた豊かな自然の中で過ごし、地域の人々と結ばれながら、学力と共に人間力を育てていく「国内留学」の取り組みを発表するイベントです。
プログラムは3部に分かれており、第1部は国内留学の意義や実際を知るリレースピーチ、第2部は国内留学に既に取り組んでいる高校の事例紹介、第3部では学校ごとにブースに分かれて入学説明会・相談会を実施しました。

まず第1部のリレースピーチ。スピーカーは、NPO法人NEWVERY/倉部史記さん、一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム共同代表/岩本悠さん、教育寮オープンラボ事務局長・NPO法人NEWVERY/小崎文恵さんの3人が登壇しました。

トップバッターである倉部さんからは、「未来を生きるためのチカラ」と題し、将来の企業の在り方や求められる人材などについてのお話しがありました。

「進路というのは選ぶのではなく作るもの」
自ら動き挑戦をして得た結果でしか自分が本当に何をしたいかなんて分からない、という倉部さんの力強い言葉が印象的な内容でした。

続いてバトンを受け取った岩本さんからは、「国内留学の可能性」についてお話しがありました。「島根とは…鳥取の隣です。」という話題から始まったスピーチでは、 “しまね留学”の取り組みを通じて見えてきた国内留学の可能性はもちろん、課題についてもお話しいただきました。例えば、学校側の求める生徒像と生徒さん本人の意思が、ミスマッチしてしまうことも少なくないといいます。

「国内留学では多くの資質能力が育ちやすいと同時に、生徒さん本人だけでなく保護者と受け入れ側の覚悟が必要である」というメッセージは、会場にいらしている様々な立場の方々に力強く響いているように感じました。

そして最後にバトンを受けとった小崎さんからは、「教育寮のチカラ」と題し、住まいとしての働きだけではない教育寮の在り方などについてのお話しがありました。「寮があれば自動的に人として成長する機会があるわけではなく、大切なのはいかに学びに繋がる環境を整えるか」だと語られました。

スライドの締めくくりには「“いいことばかりじゃない”を楽しめる人になる」という文章。寮生活の奥深さを感じた言葉でした。
次は第2部。国内留学事例紹介の時間です。
長野県立白馬高校・広島県立大崎海星高校・島根県立隠岐島前高校・島根県立津和野高校・鹿児島県立与論高校の5つの高校がそれぞれの取り組みを紹介しました。

 

長野県立白馬高校

 

広島県立大崎海星高校

 

島根県立隠岐島前高校

 

島根県立津和野高校

 

鹿児島県立与論高校

 

各高校、地域の自然や特色を生かした魅力溢れるプレゼンをしてくださいました。

現役の生徒や卒業生、高校魅力化コーディネーターや自治体のご担当者など、様々な立場の方が高校や地域の取り組みをイキイキと語られる姿がとても素敵でした。
プレゼンは5分間という短い時間の中でしたが、それぞれの個性が光るエネルギッシュな内容に、参加者の皆様も釘付けの様子。

そして最後の第3部では、各ブースに分かれ、個別の説明会を行いました。
興味のあるブースへ参加者の皆様が足を運び、進学についての質問や相談が行われました。
その高校に通う生徒の皆さんや卒業生もブースの一員として、普段の生活の様子や地域の方々との交流について紹介する場面もありました。

そしてあっという間に終了時刻に。
盛会のうちに、「国内留学サミット2017」は閉会を迎えました。

イベント終了後、会場にいらっしゃる皆様にご感想を伺ったのでいくつか紹介させて頂きます。

中学生の女の子からは
「高校に進学する意欲がなかったのですが、今日のイベントに参加して国内留学も視野に入れて改めて高校進学について考えようと思いました。」との声。

そして、大崎海星高校でプレゼンターを務めてくれた高校生は
「自分の高校以外のことを知れて楽しかったです。同じ離島でも、また違った様々な魅力があり、たくさん学ぶことができました。」と笑顔でお話ししてくれました。
インターン生として受付を担当したり、リレースピーチ・各学校の事例紹介を見聞きしたりする中で、多様な職業・立場の方がこの場に集まり、「国内留学」に対し様々な切り口でやりとりが交わされていることを肌で感じ、国内留学への関心の高さを実感しました。
またインタビューを通じて、参加者だけでなく、プレゼンしてくださった高校同士の交流も図ることのできたイベントだったのだと感じました。
今回のサミットは、私にとっても高校生のための国内留学について知った初めての機会となりましたが、実際に留学している生徒たちがイキイキと語っている姿がとても印象に残っています。
今後、国内留学が、進学の新たな選択肢としてより広まることを期待しています。(明星大学デザイン学部3年/高田成美)

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